
道を歩いていて弱った子猫を見つけてしまったら、放ってはおけないという人もたくさんいることでしょう。
避妊手術を施されていない野良猫の場合、3月から5月に出産することが多いため、春から初夏ごろにかけて、思いがけず子猫と出会ってしまうことがあります。
猫好きな人ならばすぐにでも自宅に連れて帰ってお世話をしたくなるところでしょうが、ほとんどのアパートやマンションはペット飼育不可なので、飼うことは難しいというケースもあるはず。
しかし目の前で弱っている子猫を見捨てて立ち去るなんて、とてもできませんよね。
今回のラグリエ読みものでは、ペットを飼えない人が子猫を保護してしまったらどのように行動すべきなのか、詳しく解説していきます。
\子猫ちゃんとの新たな生活に/
もくじ
子猫の命を守ることを最優先に

子猫を発見したら、まずは落ち着いて、周囲にママ猫がいないか確認します。もしかしたらママ猫は、子猫のために食べ物を探しに行っている最中かもしれません。
かなり時間が経ってもママ猫が戻ってこないようなら、どうか一時保護をしてください。
猫は一度に平均5匹の子猫を産むので、他の健康な子猫を守るために、弱ってしまった子や体の小さい子を見捨てることがあります。
動物病院に連れて行く
一時保護をすると決めたなら、なるべく早く動物病院に連れて行って獣医師さんに健康状態を診てもらいます。
入院が必要なほどまで衰弱しきっていなければ、一旦は保護主さんの自宅でお世話をするということになるはずです。
子猫の歯の生え具合を見たり体重を計ってもらったりすると、だいたいの月齢がわかります。
月齢によって離乳食を与えればいいのか、ドライフードでも食べられるかなど、獣医師さんの指示を仰いでおきましょう。
保護をした子猫は猫風邪をひいていることも多いので、その場合は飲み薬や目薬を出してもらいます。
動物病院でかかった診療代は、保護主さんが負担するというのが慣例のようになっていますが、里親さんになってくれる人が出してくれるという場合も。
念のために動物病院でもらったレシートや領収書は、保管しておいたほうがベターです。
保護後のお世話のやり方
子猫を自宅に連れて帰ったら、大きめの段ボール箱などに不要なタオルや毛布を敷いてあげると、簡易的な子猫のケージとして使えます。
トイレは100円ショップでも買える浅いプラスチックトレイに、猫砂を入れればOKです。
猫は本能的に砂のある場所でトイレをするので、すぐに覚えてそこでしてくれるようになるでしょう。
まだ離乳食をあげる必要がある月齢の子猫の場合は、子猫用ドライフードやウエットフードを猫用のミルクと混ぜ、ブレンダーなどですり潰して与えてみます。
もう歯が生えていてドライフードを食べられる月齢の子猫だったなら、子猫用として市販されているフードをあげてください。成猫用と比べて粒が小さいので食べやすく、栄養価も高いです。
保護したばかりのときは、猫風邪をひいているのに薬を飲むのは嫌がる子が大半。そんな際には猫が大好きなペースト状になっているおやつに薬を混ぜこんで、口の奥のほうに押し込むようにすると、簡単に飲み込んでくれますよ。
\愛猫ちゃんとの毎日に/
自分で飼えないのなら里親さんを探します

献身的にお世話を続けているうちに、日に日に子猫は元気になってくるはずです。
少しの期間でも自分で面倒を見ていると、保護をした子猫に愛情がわいてしまう人が多いでしょう。しかし、ペット不可の住宅でそのまま飼育を続けることは絶対にしないでください。
ルールを破ると必ずバレますし、最悪の場合には住んでいるところを追い出されることも考えられます。
保護した子猫を自分で飼えない住宅事情がある人は、代わりに終生かわいがってくれる心優しい里親さんを探すようにしましょう。
里親募集サイトに掲載する
保護猫希望者の中でも、特に「子猫のうちから育てたい」と考えている里親さん候補は大勢います。
かわいく撮れた子猫の写真を複数枚準備して、里親募集サイトに掲載し募集をかけると、応募してきてくれる人が現れるはずです。
猫の里親募集サイトはいくつかあるので、代表的なところをご紹介します。
・ハグー
いずれの里親募集サイトも無料で掲載できるので、ぜひ活用してみてくださいね。
SNSで広く募集をかける
X(Twitter)やインスタグラムなどのSNSを利用して、広く里親さん候補を募るという手段もあります。
SNSを使い慣れていて、ある程度のフォロワー数もいる保護主さんに向いている方法です。
譲渡したあとも里親さんとSNSでつながっておけば、子猫のその後の様子を見られるので安心できますよね。
ただしSNSは匿名性が高いため、里親詐欺被害に遭わないようじゅうぶんに気をつけてください。
里親詐欺とは「里親になりたい」と申し出てきて、かわいがって飼育するのとは別の目的を持って保護猫をだまし取る詐欺の手口。
譲り受けた子猫を転売してお金にしたり虐待したりといった、言語道断な目的を持つ非道な人物もまぎれているのは現実なのです。
良い里親さんの見分け方とは?

里親詐欺のことを知って、不安になってしまったという人もいるかもしれません。
せっかくみずから保護をして、大切にお世話をしてきた子猫の尊い命を託すのですから、慎重になるのも当然です。
それでは里親詐欺を避けて、良い里親さんを見つけるにはどんな点に注意すればいいのでしょうか?
希望条件を受け入れてくれる人を探しましょう
保護した子猫を譲渡する際には、希望する条件を設けましょう。
ペットの飼育が可能な住宅に住んでいることはもちろん、家族全員が子猫を迎え入れることに賛成しているかどうか、これまでに猫の飼育経験はあるかなど、気になることは細かい部分まで質問してください。
きちんとした里親さんになってくれる人ならば、こころよく答えてくれるはず。逆に、隠し事がありそうな人は、里親詐欺の可能性もあります。
また、あらかじめ下記のような条件を示しておくことで、よりしっかりした里親さん候補が応募してきてくれる確率が高まりますよ。
・終生飼育をし、かわいがってくれる人
・脱走防止策を施してくれる人
・時期がきたら去勢避妊手術を受けさせてくれる人
・譲渡誓約書(ネットでダウンロードできます)に署名捺印をしてくれる人
・子猫を届ける際に自宅にあがらせてくれ、飼育環境を見せてくれる人
保護主さんが希望する譲渡条件を細かく明記しておくことによって、里親詐欺をはたらこうとする人物は面倒くさがって避けていくでしょう。
子猫が飼えない人でも命をつなぐことは可能です

思いがけず子猫を保護してしまったけれど、今は飼える住宅環境にない…。そんな人でも、尊い命をつなぐことはできます。
でも、一生懸命にお世話をした子猫を手放してしまうのは、とっても寂しいですよね。
将来ペット可能な住宅に住んで、迎え入れられる準備がちゃんと整ったときに、改めてご縁のあった保護猫をお迎えしてくださったらと願います。
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