
2021年《ラグリエwebサイトオープン1周年》特別企画インタビューで直接お会いすることが叶い、そのご縁からラグリエ読みもので、今井さん書き下ろしコラムを掲載させていただいています。
今回の床旅は、「奈良・京都」へ床探しに出かけられた、今井さんの床旅レポート。『床旅:京都』編です。
今宵も床追い人、今井晶子さんの世界を
どうぞお楽しみくださいませ。
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「なめたらいかんぜよぉぉ!」
『鬼龍院花子の生涯』という映画で女優・夏目雅子さん演じる主人公が放つセリフ。

いつまでも 撮れると思うな その床を
ずっと見てみたいと思っていたこの作品、7月に閉館してしまった東映最後の直営館「丸の内TOEI」のフィナーレ上映企画でついに鑑賞することができました。昭和から続くお店の閉店ラッシュですが映画館にもその波が。
もくじ
旧橋本遊郭の妓楼建築「旅館 橋本の香」で味わうレトロな床と建物
その冒頭になにやら見覚えのある景色が。ロケ地はそのうち行ってみたいリストにあった京都・橋本遊郭跡。
いつかそのうちリストが何百もある人生ですが、ついに2025年春に訪問。そもそもは奈良への旅でしたが、その前に京都に寄り道することに。
交通費をかけて行くとなるとあれもこれも詰め込みたくなるのが人情です。
10年ほど前、床情報をもとめて徘徊していたネットの海では、カフェー建築の素敵なタイル床や壁が散見されました。そこから遡って興味が湧いた遊郭跡。
橋本遊郭はその中のひとつでした。今は住宅街の一角となっており、物見遊山で行ってもいい場所なのかわからないままあっという間に時は過ぎ。
旧橋本遊郭の妓楼建築のひとつが改修して宿泊施設として利用できるようになったと何年か前に聞き、ずっと行ってみたかったのです。調べてみると宿泊ではなく見学だけもできる(有料)ということで今回に至りました。

橋本遊郭は明治20年に遊郭として許可を得た遊郭らしく、最近は大河ドラマ『べらぼう』で興味を持たれた方達の見学も多いそうです。
京都入りし、最寄り駅から向かうは見学を予約しておいた「旅館 橋本の香」。旧橋本遊郭の妓楼建築「三枡楼」の建物を活かした旅館です。

中に入った途端に大興奮。タイル使いも贅沢な広々とした玄関が。もちろん床を撮るべくベストスポットを探ります。


玄関で完結しそうな勢いで撮影していましたが、係の方に促され正気に戻り2階へ。
ところが2階でも凝った意匠の部屋部屋にまたしても忘我の状態に。壁にドアに、なんとまあ華やかなステンドグラス。

この小窓から顔を見せずにやり取りをしていたのでしょうか


木調の建具と組み合わさり、落ち着いたレトロな空間をつくり出している。



2階に床は…と探したところ浴室・トイレで発見。部屋に無くとも水まわりに良いタイルがあることがあります。あきらめずにチェックすべしです。

奥にはモザイクタイルの床が続き、当時の面影が色濃く残っている。

2階奥の階段からふたたび1階へ。出窓のここにもアールデコ調の美しいステンドグラスが。さまざまなパターンのガラスで彩られなんと贅沢なことか。

建物の囲まれた中庭も拝見。石灯籠などは当時のものだろうか。




「橋本の香」に大興奮していたら、なんと並びの2軒も見学させていただけることに!(別途見学料金)棚ボタ見学です。棚ボタ床への期待も高まります。
美香茶楼の玄関タイルとレトロ意匠を楽しむ

2軒目は美香茶楼。元は第二友栄楼だった建物で現在は中国茶カフェとして活用されています。

ワクワクで足を踏み入れた玄関フロアは土間が一面タイル!壁もかわいいタイルだらけでタイル祭りです。全体的にアールデコ調だった「橋本の香」とはまた違い、こちらはちょっとエキゾチック。






玄関タイル祭りを終え、2階へ進みます。そこかしこにある意匠にいちいち足が止まってしまいます。




奥の階段からふたたび1階へ。急ぎつつも見落とさないよう視線を四方八方に巡らせます。


ミシンの上にのっているのは箱枕の台ですよね?
1軒目2軒目で予定時間のかなりを費やしてしまいました。3軒目へ。
天女とステンドグラスが彩る旧加島楼の華やかな床空間
1軒目と2軒目の間にある旧加島楼(旧大徳)→御座敷と洋食スタンド大徳→喫茶・スナック大徳へと営業形態が変わっていったようです。
まだ改修中の建物です。3軒目がこれまた凄い! 天女にステンドグラスにタイルにとフルスロットル内装です。





1階に永遠にいたい気分ではありますが、時は有限なり。迫り来るタイムリミット。2階へ進みます。


モダンさと和の要素が同居する独特の意匠が残されている。
3軒ともそうでしたが、妓楼は2階建てなのです。旧大徳は2階も素晴らしい意匠の空間が。なんとダンスホールだったそう。当時の気配を感じながらイメージを膨らませます。







建物の意匠に魅了されつつも決して華やかで楽しいだけの場所ではなかったわけで、きゃあきゃあと見ていていいのだろうか…と気後れする自分も抱えての見学でもありました。
でもこういうきっかけから色々知見が広がっていくというルートもありますよね。知る気持ちは持ち続けたいものです。
京都・橋本周辺で見つけた軒先タイルと野良床コレクション
まだまだ3軒を味わっていたいですが、奈良へ行かねばなりません。駅へ急ぎつつも周辺もチェックはしなければ。
予想どおりいい床を発見。




こちらは野良床。遊郭跡でしょうか



美味しそうな予感がする洋食屋さんもありました。



いい建物の周辺にはやはりナイス床がある確率が高し。美味しそうな食堂も見つけてしまい、再訪を予感しながらこの地を後にしました。
次回の床旅⑧では奈良編をご紹介します
今回は、今井晶子さんが京都・橋本周辺で出会われた建物と床の魅力をお届けしました。
遊郭建築ならではのタイル使いや光の取り込み方など、随所に残る意匠から当時の空気が伝わってくるようでした。
旅はこのあと奈良へと続きます。京都とはまた違った歴史や街並みのなかで、どのような床と出会われたのか。次回の「床旅⑧:奈良編」でご紹介いたしますので、どうぞお楽しみにお待ちください。
rugreaさん
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