カートを見る

デザインフロアマットデザインフロアマット

デザインラグデザインラグ

スタイリングスタイリング

読みもの読みもの

HOME読みものラグリエ部活動

岡崎の建築と床をめぐる旅|ラグリエ部活動レポート

ラグリエ部活動

岡崎の建築と床をめぐる旅|ラグリエ部活動レポート

2025.09.29 (最終更新日:2025/08/25)

床と建築の魅力を探し歩く「ラグリエ部活動」。今回の舞台は、愛知県岡崎市です。

歴史と文化が色濃く息づくこのまちで、私たちが出会ったのは、美しい建築意匠と、それを支える多彩な“床”の表情でした。

メンバーはおなじみの3人、hattori・Tina・Yama。6月のとある晴れの日に、岡崎へと出かけました。

洋館から歴史的建造物、街なかのカフェや商店街まで。建物ごとに異なる床の素材や模様、雰囲気を楽しみながら歩きました。

まるで“床の遠足”ともいえる一日。
レトロなタイル、格式あるフローリング、思いがけない場所で見つけた素敵な模様……。

今回も、見どころたっぷりのレポートをお届けします。

\デザインいろいろ!貼り付け簡単/

ラグリエのデザインフロアマット

旧本多忠次邸|優雅で洗練された洋館の床たち

愛知県岡崎市にある「旧本多忠次邸」は、洋館建築の魅力が随所に詰まった文化財建築です。

美しい外観や丁寧に設えられたインテリアに加え、室内に広がる多彩な床模様もまた、大きな見どころのひとつ。

岡崎東公園案内図に示された旧本多忠次邸の位置
旧本多忠次邸は、岡崎東公園の南側エリアに位置しています

今回はラグリエ部活動の一環として、邸宅内を実際にめぐりながら、印象的だった床のデザインや空間演出をご紹介します。

旧本多忠次邸の美意識を味わう

岡崎東公園の南端にひっそりと佇む、旧本多忠次邸。

白壁と芝生が美しい旧本多忠次邸の外観
旧本多忠次邸の外観

昭和初期に建てられたこちらの洋館は、元貴族院議員の本多忠次氏が東京・田園調布に構えた私邸を、岡崎市が移築・復元した建築です。

旧本多忠次邸 玄関外の車寄せ。石貼りのアプローチが広がる
玄関前のアプローチ、車寄せ

左右非対称のファサードやアーチの意匠、玄関脇の車寄せなど、外観の時点ですでに上質な空気をまとっており、洋館好きでなくとも思わず足を止めたくなる美しさです。

内部には、当時の意匠がそのまま残された空間が広がり、各部屋ごとに異なる床のデザインが楽しめるのも大きな見どころです。

旧本多忠次邸の館内案内図。各部屋の配置がわかる見取り図
複雑な構成が印象的な館内案内図

館内の案内図を見ると、その部屋数と構成の複雑さに驚かされます。

さっそく、個性豊かな床模様を追いながら、館内をめぐっていきましょう。

玄関・トイレ・日光室…床模様の豊かさ

建物の入口でまず目を引くのは、クラシカルなタイル模様が美しい玄関床。

旧本多忠次邸 玄関の床。幾何学模様のモザイクタイルが広がる
玄関床はクラシカルなモザイクタイル

モザイクタイルを敷き詰めた中に、さりげなくあしらわれた花のような模様が浮かび上がります。

玄関タイルの拡大。赤とグレーで花模様を表現した繊細な意匠
玄関床に見られる繊細な花模様の装飾

タイルの色味も落ち着いていて、当時の丁寧な手仕事が感じられる空間です。

1階トイレの床。白地に青の模様が施されたタイルが使われている
玄関と1階トイレにも品のあるタイル装飾

同じく1階にあるトイレの床も印象的。

玄関と同様に細やかなタイル貼りで、壁とのコントラストも美しく整えられており、展示空間としての保存状態の良さにも感心させられます。

玄関ホールから続く1階には、来客をもてなすための洋風空間が広がっています。

旧本多忠次邸 団らん室。重厚なソファとテーブルが並ぶクラシカルな室内
クラシカルな家具でまとめられた団らん室

団らん室は、重厚な家具と柔らかなカーテン、シャンデリアのあかりが調和する、落ち着いた雰囲気の部屋。

中央には八角形のようなテーブルが置かれ、サロンのような空気感が漂います。

団らん室の一角に置かれたアンティーク風チェアとテーブル。日差しがレース越しに差し込む
窓際のチェアセットからはやわらかな光が差し込みます

そして奥には、ダイニングとして使われていた食堂があります。

旧本多忠次邸の1階廊下と食堂。奥行きある廊下と、クラシカルな家具と照明が並ぶ洋風食堂の対比が印象的
左は奥行きのある1階廊下。 右は重厚な家具とクラシカルな照明が魅力の食堂。

重厚なテーブルセットとシャンデリア、そしてステンドグラスの彩光が印象的で、格式の高さと居心地のよさが共存する空間でした。

1階日光室の床は、幾何学的なパターンの入ったグリーンタイル。

1階日光室の床。緑の幾何学模様タイルが規則的に敷かれている
1階日光室は幾何学模様のグリーンタイル

観葉植物と相性がよく、自然光を受けたときの表情の豊かさにも目を奪われました。

用途や空間にあわせて床材や模様が切り替えられており、邸宅全体の設計意図に深みを感じます。

旧本多忠次邸 和室の床と欄間。和の趣が感じられる設え
和室の設えにも注目したい

洋の空間に続いて、2階には和の趣が感じられる和室も設けられていました。

落ち着いた色合いの壁と障子窓、そして床の間の掛け軸が、静謐な雰囲気を漂わせます。

タイルが映えるお風呂場

旧本多忠次邸には、1階と2階にそれぞれ趣の異なる浴室があり、どちらも見応えたっぷり。

1階浴室の床。小花模様のモザイクタイルが敷かれている
1階浴室の床には小花模様のモザイクタイル。

1階湯殿の床には、小花柄のようなパターンがあしらわれたモザイクタイルが敷き詰められ、柔らかくも品のある印象です。

1階浴室の窓辺。ステンドグラスから柔らかな光が差し込む
浴室のステンドグラスが空間をやさしく彩る

浴槽の縁にも同様の色調で柄が施されており、全体の統一感がとても美しく感じられました。

そして、浴室の窓に設けられたステンドグラス。

日差しが差し込むことで、淡い色彩が浴室全体に広がり、当時の優雅な暮らしぶりが想像されます。

2階浴室の床と壁。赤とグレーのモザイクタイルとピンク系のタイル壁
2階浴室の床は赤×グレーのモザイクタイル

2階の浴室は、さらに装飾性の高いデザイン。

床には赤とグレーのモザイクタイルが規則的に配され、壁にはやわらかなピンク系タイルが貼られていました。

こちらも窓際にステンドグラスがあり、花や魚などをモチーフにした図案が美しく描かれています。

バスルームという実用空間に、これほどの美的要素が凝縮されていることに驚きました。

美しいステンドグラスや照明

旧本多忠次邸を歩いて感じたのは、床に限らず、あらゆる意匠に美しさとこだわりが宿っているということ。

左:旧本多忠次邸の階段。黒塗りの木製階段とアイアン手すりがクラシカルな雰囲気を醸し出している 右:階段踊り場に設けられたステンドグラス。花を模した意匠が鮮やかに彩られている
黒塗りの階段とクラシカルなステンドグラスが印象的な階段スペース。
細部の意匠からも、当時の美意識の高さがうかがえます。

階段スペースには華やかなステンドグラスがはめ込まれ、照明器具や建具の一つひとつにも、丁寧な意匠と素材選びが見てとれます。

なかでも印象的だったのは、和室や廊下、洋室それぞれに合わせて設計された照明のデザイン。

左:和室に吊るされた六角形の和モダンな照明器具 中央:寝室の天井から吊るされたプリーツ入りのランプシェード 右:コーナーに設置されたアールを描くモダンなブラケットライト
和室・洋室それぞれの空間に調和する、趣の異なる照明デザイン。
細部まで考え抜かれた意匠が、空間の品格を高めています。

光の加減で表情が変わるステンドグラスや木の床も含めて、当時のモダンな感性と暮らしの美意識が随所に感じられました。

旧本多忠次邸 食堂の扉上部に施されたステンドグラス。ツバメと花をモチーフにした装飾が美しい
ツバメと花が描かれた、食堂上部のステンドグラス。 柔らかな光が差し込み、空間に華やぎを添えています。
左:水辺の鳥や蓮の花が描かれた旧本多忠次邸のステンドグラス窓 右:リボンに飾られた松明のモチーフが印象的な幾何学模様のステンドグラス
自然やシンボルをモチーフにした多彩なステンドグラス。
光を受けて、空間全体に幻想的な彩りを添えています。

この空間に流れる静かな時間と空気感は、実際に足を運んでこそ味わえるもの。ぜひ、岡崎の床めぐりに訪れた際には、立ち寄ってみてください。

タイルの床がとても素敵でした!洋風の外観に、和の要素がさりげなく溶け込んでいて、当時の暮らしの気配が感じられるような空間でした。

和洋折衷のお屋敷で、素敵な雰囲気でした。特にお風呂のレトロな色合いが印象的でしたね。

建物だけでなく調度品なども、すごくきれいに管理されていましたね!お庭も手入れが行き届いて、とても素敵でした。

旧額田郡公会堂|文化財の外観から感じる重厚な雰囲気

続いて向かったのは、岡崎市の市街地にひっそりと佇む、旧額田郡公会堂。

旧本多忠次邸とは違って、こちらは現在内部公開されておらず、外観のみの見学となりました。

木造洋風建築の旧額田郡公会堂正面
大正期建築らしいセグメンタルペディメントを備えた正面外観

明治時代末期に建てられたこの建物は、かつて地域の議会や集会などに使われていた公会堂で、現在は国の重要文化財に指定されています。

セグメンタルペディメントと装飾柵が見える旧額田郡公会堂上部
装飾的な柵とペディメント、全体に経年の風合いが感じられる

外観には、当時の洋風建築の意匠が色濃く残されており、特に玄関上部にあしらわれた半円状の破風装飾「セグメンタルペディメント」が目を引きます。

これは、三角形の破風(ペディメント)の代わりに、円弧状の優雅なアーチを配したもので、クラシカルな印象を与える建築装飾のひとつ。

旧額田郡公会堂の文化財指定を示す案内板
国の登録有形文化財である旨が記された案内板

今回は外観のみの見学となりましたが、窓越しに見える建具や装飾からも、当時の丁寧な意匠が伝わってきます。

木製窓と外壁が見える旧額田郡公会堂側面
淡いペンキが剥げた外壁と格子窓が時代を感じさせる

建物の傷みは進んでおり、外壁の塗装も剥がれかけている箇所が多数見られました。とはいえ、こうして現地で見ると、可憐で優雅な佇まいにはやはり惹かれるものがあります。

現在は非公開で中に入ることはできませんが、外から眺めるだけでも、当時の建築の魅力を感じ取ることができました。

今後の保存や活用に期待しつつ、貴重な洋風建築の記録として訪れてよかったと感じたスポットでした。

外観を見ただけですが、雰囲気が素敵でした。中の様子も気になりました。

重要文化財で素晴らしい建物でしたが、壁などの修復がされていないのが少し残念でした。

せっかく可愛らしいデザインと色合いなので、ぜひ修復して素敵な建物としてよみがえらせてほしいですね。

松應寺と松應寺横丁|静けさに息づく路地と建築

次に向かったのは、岡崎の中心部に位置する「松應寺(しょうおうじ)」とその門前に広がる「松應寺横丁」。

この一帯には、歴史と再生の空気が入り混じる、独特の情緒ある景観が広がっています。

松應寺へと続く横丁入口の風景。両脇には昭和レトロな建物が並ぶ
松應寺横丁の入口。アーケード状の通路が奥へと続いています。

松應寺は、1560年に徳川家康が父・広忠の菩提を弔うために建立した浄土宗の古刹。

境内には季節ごとの花々が咲き、地元の人々にとっては心のよりどころのような存在です。

松應寺の本堂。緑に囲まれた境内と木造の落ち着いた佇まい
松應寺本堂は、家康の父・広忠の菩提を弔うために建立されたと伝わります。

そんな松應寺の門前には、昭和の面影を残す「松應寺横丁」があります。

戦後に形成されたこの横丁は、かつての店舗兼住居をリノベーションした小さなお店が軒を連ねるエリア。木造建築が連なり、かつては飲み屋街としてにぎわった名残も感じられます。

松應寺横丁のアーケード内部と、その先に続く飲食店が立ち並ぶ細道
アーケード内には提灯が並び、どこかお祭りのような雰囲気も。

この日は金曜日で、通りは比較的静かでしたが、ケーキ屋さんやカフェなどが開いていて、どこか懐かしさのある風景に心惹かれました。

松應寺横丁にあるリノベーションされたカフェと細い路地
軒先の植栽や風鈴が印象的。丁寧に手を入れられた空間に心が和みます。

週末には「花まちフェスタ」やマーケットイベントが開催され、多くの人でにぎわうとのこと。

静けさと賑わい、両方の表情をもつこの路地は、歩くだけで小さな発見があるような場所でした。次に訪れるときは、もう少しゆっくり歩いて、ひとつひとつのお店をのぞいてみたくなるような、そんな魅力が詰まっていました。

美味しそうなケーキ屋さんとかありましたね!どんなお店が隠れてるのかな?とわくわくする横丁です。

時間がゆっくり流れているような、懐かしい雰囲気にほっこりしました。

お寺の静けさと、昭和レトロな雰囲気の横丁をぐるぐる散策。カフェや雑貨店などがあって楽しかったです。

岡崎信用金庫資料館(旧岡崎銀行本店)|明治の銀行建築に残る床の記憶

続いて訪れたのは、「岡崎信用金庫資料館(旧岡崎銀行本店)」。

明治37年(1904年)に建築家・鈴木禎次の設計によって建てられたこの建物は、もともと「岡崎銀行本店」として使われていたもの。現在は無料で公開されており、館内では明治の銀行建築の魅力とともに、金融や建築にまつわる様々な展示を見ることができます。

岡崎信用金庫資料館(旧岡崎銀行本店)の外観。赤レンガと白い石材が印象的な明治時代の洋風建築
明治37年(1904年)に竣工した旧岡崎銀行本店。
赤レンガと白御影石のコントラストが美しい近代建築です。
岡崎信用金庫資料館(旧岡崎銀行本店)の外壁に設置された文化財や景観賞のプレート
建物は国の登録有形文化財であり、市の景観重要建造物にも指定されています。
歴史的価値と美観の両面で高く評価されています。

中はとても清潔感があり、磨かれた床や柱まわりの装飾など、細部まで丁寧に維持されているのが印象的

常駐のスタッフの方が館内を案内してくださり、設計を手がけた鈴木禎次についてもわかりやすく教えてくださいました。

鈴木禎次は、明治から大正にかけて活躍した建築家で、赤煉瓦と石を組み合わせた重厚な洋風建築を多く残しました。特に愛知県内に作品が多く、これまでのラグリエ部活動でも訪れた建物の名前がいくつも登場して、思わずテンションが上がってしまいました。

岡崎信用金庫資料館1階に展示された、建築家・鈴木禎次の紹介パネルと関連資料
資料館1階では、この建物を設計した建築家・鈴木禎次の業績を紹介。
全国に残る彼の設計作品や、著名人との交流にまつわる展示も見応えがあります。

2階は「お金」をテーマにした展示で、世界各国の貨幣や、日本の金融史に関する資料が並んでいます。

岡崎信用金庫資料館2階に展示された世界の貨幣コレクションと歴史紹介コーナー
2階は、世界各国の貨幣やお金の歴史を楽しく学べる展示スペース。
珍しいコインや紙幣がずらりと並び、大人も子どもも興味を引かれます。

中でも人気なのが、1億円や千両箱の重さを実際に体験できるコーナー

岡崎信用金庫資料館の体験展示コーナーで1億円の重さと千両箱の重さを体験している様子
実際に持ち上げて体験できる1億円(模擬札)と千両箱。
思わず「重っ!」と声が出てしまうユニークな体験展示です。

また、館内には免震構造に関する展示もあり、建物そのものがしっかりと耐震補強されていることに驚かされました。

岡崎信用金庫資料館のエントランス部分に見られる免震装置による床の隙間
建物の床下には免震装置が施されており、建物全体がわずかに浮いた構造に。
館内では免震技術についての詳しい展示も紹介されています。

レトロですてきな建物でしたね!

建物も展示も見応えあり。案内係の方がいろいろなことを丁寧に説明してくれて、印象に残っています。

建物もステキでしたが、案内係の方に話を聞けて良かったです。耐震工事もしっかりされているとのことでとても興味深いお話でした。

連尺通りとパスタ&カフェ Baku|街なかで出会った“あの床”

岡崎の中心市街地に位置する「連尺(れんしゃく)通り」は、昭和の雰囲気を色濃く残す商店街のひとつ。レトロな看板や建物が並び、ゆったりとした時間が流れるこの通りを歩いていると、ちょっとした旅気分を味わえます。

岡崎市の連尺通り沿いに並ぶ歴史ある商店や街灯、歩道の様子を収めた街並み写真
レトロな雰囲気が漂う連尺通り。小さな商店や建物が並び、歩くだけで楽しい通りです。

この日はとても暑く、連尺通りを散策しながら、そろそろランチ休憩を…ということで、Googleマップで見つけたパスタ屋さん「Baku」さんを目指しました。

連尺通り沿いの店舗前で見つけたレトロな幾何学模様のタイル床のアップ
何気なく歩いていたら出会った可愛い床。昔ながらのタイルが今も残っていました。

すると、そのお店が入っているマンションの入口や階段に、なんともかわいらしい花柄のタイルが! 思いがけない出会いに、私たちのテンションは急上昇。

岡崎市のパスタ&カフェBakuの店舗外観。ブラウンのファサードと白いロゴが印象的
ランチに立ち寄った「パスタ&カフェ Baku」。店構えからしてどこか懐かしく、街に溶け込んでいます。

このタイルの床が『足の下のステキな床』著者・今井晶子さんのおすすめスポットだったことが、あとから判明。

岡崎出身の今井さんに事前に教えていただいていたにも関わらず、自分たちで見つけたと思って喜んでいた私たち…。少し悔しくもあり、嬉しくもあり。

岡崎市連尺通りにあるパスタ&カフェBakuの店舗入口。レトロな外観が印象的な人気カフェ。
パスタ&カフェ Bakuの入口。レトロな佇まいに惹かれて、ふらりと立ち寄りたくなる外観です。

店内は、近くのオフィスに勤める方々で賑わい、活気あふれる雰囲気。

あっさり系のパスタも充実していて、歩き疲れた体にやさしい味わいが嬉しい! 私たちはそろって和風パスタを選びました。

パスタ&カフェ Bakuで注文した和風パスタランチ3種。岡崎市連尺通りのレトロ喫茶で楽しむ人気メニュー。
お昼時で店内は活気にあふれ、周辺の会社員の方々も多数来店。和風パスタ3種をそれぞれ選び、にぎやかな雰囲気の中でのランチとなりました。

そして忘れてはいけないのが、Bakuさんの店内に広がるヘリンボーンの床。使い込まれた木の風合いが味わい深く、ランチタイムのひとときをさらに心地よくしてくれました。

パスタ&カフェ Baku店内に敷かれた味わい深いヘリンボーン床。長年の使用で風合いが増した木質フローリング。
Bakuの店内で見つけたのは、落ち着いたトーンのヘリンボーン床。時を重ねて生まれた味わいが、店の雰囲気をより深くしています。

パスタ、おいしかったです!

階段にもつながるレトロな床が印象的。Bakuさんのきのこ和風パスタ、ほっこりしていて美味しかったです。

まさか今井さんにおすすめされた床がここだったなんて!とってもかわいいレトロタイル床でした。また行く機会があったら、ぜひ鉄板ナポリタンも食べてみたいな~

Pasta & Cafe Baku|レトロな階段を上がった先にある人気の喫茶店

美味しいパスタと居心地のよさで人気の「Pasta & Cafe Baku」さん。
岡崎・康生通のサンライズ康生ビル2階にあり、昭和レトロなタイル床や階段も魅力のひとつです。

店名:Pasta & Cafe Baku
住所:〒444-0045 愛知県岡崎市康生通東2丁目37 サンライズ康生2F
電話番号:0564-24-8760
営業時間:11:00〜15:00 / 18:00〜21:00
定休日:日曜(訪問前に店舗へご確認ください)

Googleマップで見る

KAGODA PARK|思いがけず立ち寄った公園で、心がほどけた時間

街歩きの途中、ふと目に留まったのが「籠田公園(KAGODA PARK)」でした。

整備された広場には美しい芝生が広がり、石造りのレトロな常夜灯がやさしく佇んでいます。ベンチや屋根付きのテーブルもあって、ちょっとひと休みにぴったり。

寛政10年に建立された常夜灯と、階段状の植栽と芝生が整備された岡崎市の籠田公園の風景。
寛政10年に籠田総門付近に建てられた常夜灯。 現在は、緑豊かに整備された籠田公園の一角で、往来の安全を願った当時の面影を静かに伝えています。

実はこの公園、2020年代にリニューアルされたばかり。岡崎の中心部に位置しながら、無料Wi-Fiも完備され、トイレもとても清潔。

平日の昼間でもベンチで読書をする方や、軽く散歩を楽しむ方の姿が見られ、落ち着きとにぎわいが程よく共存している印象です。

芝生広場とモニュメントが設けられた、岡崎市・籠田公園の一角。
芝生が広がる籠田公園の中央エリア。 右手には平和の象徴とされるハトのモニュメントが立っています。

暑い日でしたが、屋根付きのテーブルに座れば快適。すぐそばにキッチンカーもあり、コーヒーや軽食も楽しめるとのこと。

岡崎市・籠田公園の遊具エリアと水の広場。すべり台やネット遊具の奥にはベンチ付きの東屋も整備されている。
すべり台やネット遊具に加え、地面から水が噴き出す噴水広場も人気のエリア。 家族連れでにぎわう籠田公園の遊び場です。

こうした設備が整った気持ちのいい場所で、パソコンを開いて作業したくなるような、そんな時間の流れを感じました。

左:籠田公園内に設置された利用ルールの案内板。右:江戸時代に設置された常夜灯と、由来を記した石碑(寛政10年建立、岡崎城下の3番目)。
左:アイコンでわかりやすく表示された、籠田公園の利用ルール。デザインもかわいらしく、写真に収めたくなる案内板です。 右:かつて籠田総門付近に建てられた常夜灯。旅人と町民の安全を願って、寛政10年に石工・七左衛門が手がけたものです。

土日はきっと、もっと多くの人でにぎわうことでしょう。地域の人々の憩いの場として、長く愛されてきた理由がわかる気がします。

緑に囲まれて、ぼーっと過ごすのにぴったりな公園でした。ここでリモートワークもアリ!

トイレもきれいだし、Wi-Fiも使えて驚きました。

近所に住んでいる人がうらやましいですね。

施設名:籠田公園(KAGODA PARK)
住所:〒444-0041 愛知県岡崎市籠田町68
アクセス:名鉄「東岡崎駅」より徒歩約15分
駐車場:地下駐車場あり(210台収容)
Wi-Fi:無料Wi-Fi完備(OkazakiCity_Free_Wi-Fi / 利用時間 6:00〜21:00)
その他設備:屋根付きベンチ、芝生広場、キッチンカー、きれいなトイレ、多目的トイレ・授乳室あり

▶ Googleマップで見る

岡崎まちあるきの終着点|見つけた床と、訪れ損ねた床

岡崎の街には、古くから続く商店や昭和レトロな建物が多く残っていたため、もっとたくさん「すてきな床」に出会えるのでは…と期待していました。

ところが実際に歩いてみると、床が見えるお店は限られており、撮影できるような床との出会いは思いのほか少なめ。

岡崎市の床探し散策で見つけた風景。左は本町通りの通り名プレートと石畳風の歩道、右はガラス扉に描かれたレトロなキャラクターとOPENサイン
本町通りの足元と、通りがかりのお店のかわいい扉。 街歩き中に見つけた、岡崎らしいレトロな風景です。

それでも、松應寺横丁の一角や、ふと立ち寄った洋裁用品店の床、そして歩道のタイル模様など、目線を落とせば味わい深い床にいくつも出会えました。

岡崎・松應寺横丁で見つけたレトロ看板と店先のメダカ鉢。左はオロナミンCの昭和看板、右は睡蓮鉢とカエルや動物の置物が並ぶ癒しの風景
松應寺横丁の路地には、昭和の面影とユーモアが混在。 懐かしい看板や、和ませてくれるメダカ鉢が目を引きました。
岡崎の商店街にある布地・洋裁用品店の店内床。赤系タイル柄の床がレトロな雰囲気を醸し出している
商店街の一角で見かけた、洋裁用品店の床。 赤茶のタイル柄が、時を重ねた味わいを感じさせます。
岡崎の連尺通り商店街のアーケードと歩道の床風景。グリーンの屋根とレンガ調の床がレトロな雰囲気を演出している
商店街のアーケード下をのんびり散策。 床に敷き詰められたタイル模様が、商店街の歴史を感じさせてくれます。
岡崎市の商店街に残るレトロな床模様と建物装飾。左は布地屋などが並ぶアーケードの石畳風舗装、右はひまわり柄のタイル装飾が美しいビルの外観
アーケード商店街の床にも、ノスタルジックな模様が刻まれていました。 建物上部のモザイク装飾も、街に溶け込んだアートのようです。

歩くたびに発見がありました。久しぶりに岡崎を訪れましたが、次は岡崎城や八丁味噌の郷などにも足を運んでみたくなりました。

これまで岡崎をこんなにゆっくり歩いたことがなかったので、とても新鮮でした。観光にも力を入れている印象で、一日たっぷり楽しめました。

いろいろ充実した施設をめぐって盛りだくさんだったのに、駐車場代も見学料もかからず、ランチ代だけで済んじゃいましたね!

今回の散策では、事前にチェックしていた「岡崎シングルホテル」にまで足を運ぶのは断念。今井晶子さんが本で紹介していた“足の下のステキな床”を見に行きたかったのですが、あまりの暑さと時間的な制約で、断腸の思いであきらめました。

それでも一日を通して、岡崎という街の奥深さと歩く楽しさをしっかり満喫。次回こそ、未踏の場所へ…そんな気持ちを胸に、今回のまちあるきは締めくくりです。

オカザえもんが結構好きです。至るところでオカザえもんを発見!私の住んでいる街のマスコットキャラにも、あんな個性があったらいいのにな〜笑

前回の覚王山散策、今回の岡崎散策を通して、大正や昭和初期の建物を維持する大変さを感じました。こうした趣のある建物が、これからも大切に残されていくといいなと思います。

今度はどこの床さがしにいこうか、わくわくしますね!

ふと足元を見ると、そこにはこの街の記憶が刻まれていました。

華やかさとは違う、静かな美しさ。歩いたからこそ出会えた、そんな床との出会いが今回もたくさんありました。

次はどんな風景と、どんな床に会えるのか。楽しみは、まだまだ続きます。

==================

こちらの記事もおすすめです。

The following two tabs change content below.
hattori

hattori

インテリアやお片付けの本を見るのが大好き。 ラグリエの『読みもの』を通して、ワクワクしたり、毎日の生活がちょっと素敵に、楽しくなるような活動をしていきます!
  • Instagram