「土間」と「たたき」の違いをご存知ですか?
現代の日本住宅における玄関は主に靴を脱ぐ場所として使われていますが、かつてはさまざまな役割を担っていました。
玄関の役割が限られた現在でも、「土間」「たたき」という言葉が使われています。
しかし、それぞれの違いがわからない方も多いのではないでしょうか。
今回のラグリエ読みものでは「土間」「たたき」の違いや、現代の日本住宅で多く採用されている玄関の仕上げ材について解説します。
さらにクッションフロアDIYで作る玄関たたきについても紹介していますので、ぜひ参考にしてくださいね!
\玄関たたきDIYにもぴったり/
もくじ
「土間」と「たたき」の違いとは
「土間」と「たたき」には、明確な違いがあります。
それぞれの言葉の意味を知ると、日本住宅への理解が深まりこだわりの家づくりに役立つでしょう。
「土間」は住宅内にある土足空間
かつての日本住宅には屋外の地面の延長として、住宅内にも土足で歩く土の空間=「土間」が設けられていました。
土間は框や座敷よりも低く作られており、屋内にありながら屋外とほぼ同じ扱いでした。
かまどや炊事場を設けたり、土が付いた農具を置いたり、半屋外である土間は汚れを気にせず使える場所としてなくてはならない空間でした。
しかしライフスタイルの変化によって現代の日本住宅では土間を設ける必要がなくなり、玄関よりも居住スペースを広く確保することに重点が置かれています。
「たたき」は地面の仕上げ材
現代の日本住宅において「たたき」は、玄関の靴を脱ぐ床として認識されています。
しかし本来のたたきは土・石灰・苦汁を混ぜて練り、地面に塗って叩き固めて作る仕上げ材のことを指します。
3種類の材料で作ることから「三和土」という漢字を用い、また叩いて仕上げることから「たたき」と称されるようになったといわれています。
古くから三和土は、土間などの地面を固める仕上げ材として重宝されていました。
しかし施工が難しいうえモルタルやタイルに比べて堅ろう性に劣るため、現代の住宅において使用される機会は少なくなっています。
このように土間が使われなくなり、三和土が他の素材に置き換わった現代では、「たたき」は玄関の床を指す言葉に変化しました。
現代の主な玄関たたきの仕上げ材
現代では玄関のイメージや用途によって、さまざまな素材でたたきが作られています。
ここでは、玄関たたきに採用される主な仕上げ材を4つご紹介します。
タイル
タイルは硬く堅牢な素材で、現代住宅の玄関たたきに多く採用されています。
四角いタイルを目地が直線になるように並べて仕上げるのが一般的ですが、色違いのタイルを市松模様に並べたり、一つひとつ形の違うタイルをランダムに並べたり、組み合わせ次第で多彩な雰囲気を演出できます。
色合いや質感のバリエーションが豊富なうえ、安価なものから高価なものまで価格帯も幅広いため予算に合わせて選択できます。
また、メンテナンス性に優れていることもタイルの魅力です。
砂汚れなどはホウキなどで掃くだけで簡単に取り除けるだけでなく、汚れがひどい場合には水を使って掃除することもできます。
簡単に美しい状態を保てるため、できるだけ掃除に手間をかけたくない方にピッタリの素材です。
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コンクリート
コンクリートは無機質な質感とクールな表情で、玄関の雰囲気を高められます。
施工できるデザインは限られますが、工場の床のような無骨な仕上がりでシンプルモダンな雰囲気を引き立ててくれます。
さらに他の素材に比べて施工コストを抑えられるのも、コンクリートならではのメリットです。
ただしコンクリートは吸水性が高いことにより使用前に保護剤を塗ったり、撥水処理を施したりしておかないと、シミや汚れが付きやすいため注意が必要です。
またコンクリートは表面に気泡や砂利の粒が浮き出ることがあるため、玄関たたきには見栄えが悪いと感じることも。
よってデザイン性や見栄えの良さを重視するなら、コンクリートよりも装飾性の高いモルタルがおすすめです。
モルタル
モルタルはどこか懐かしさのあるラフな素材感で、奥行きのある空間を演出できます。
コンクリートよりも粒子が細かいため装飾性が高く、表面を滑らかに仕上げることも、あえてコテ跡を残した趣のある仕上がりにすることもできます。
ただしモルタルはコンクリートよりも、ひび割れしやすいというデメリットがあります。
モルタルならではの経年による変化を「味わい」と捉え、愛着を持てる方に適した素材といえるでしょう。
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天然石
大理石や御影石といった天然石で作った玄関たたきは希少性が高く、他の素材にはない高級感があります。
自然の石を切り出して加工するため、唯一無二の質感や表情でラグジュアリーな空間を演出できます。
しかし石の種類や床面積によっては、施工費用が高額になる傾向があります。
また材質ごとに適した手入れをおこなわないと表面に傷がついたり、シミになったりすることも。
費用や取り扱いの難しさを考慮するなら、コストパフォーマンスが高く見栄えする天然石風のタイルを選択するとよいでしょう。
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クッションフロアDIYなら手軽に玄関たたきの印象を変えられる!
玄関たたきをリニューアルするには、大掛かりな工事が必要です。
そもそも賃貸住宅では、居住者の意志で玄関たたきを自由に変更することはできません。
しかしクッションフロアなら、カットして敷くだけで玄関の印象をガラリと変えられます。
フローリングやレンガといった玄関たたきには不向きな素材も、デザインバリエーション豊富なクッションフロアなら自由に取り入れられます。
たとえば廊下と同じデザインを玄関たたきまで連続させて広がりを演出したり、華やかな色柄で個性をプラスしたり…。
思いのままに玄関コーディネートを楽しめますよ!
またクッションフロアは薄く柔らかな素材のため、ハサミやカッターナイフなどで簡単にカットできます。
出っ張りや変形といった玄関たたきの形状に柔軟に対応できるため、DIY初心者さんでも美しい仕上がりを叶えられます。
クッションフロアで玄関たたきを自由にコーディネートしよう
賃貸住宅などで玄関たたきを自由に変えられない場合は、クッションフロアを敷いてイメージチェンジしましょう。
クッションフロアはデザインのバリエーションが多く、たたきのサイズに合わせてカットするだけで簡単に理想の玄関を実現できます。
初めての方にも取り扱いやすい素材感で、気軽に玄関DIYにチャレンジできますよ!
玄関たたきは家に出入りするたびに必ず通り、ゲストの目にも留まる重要な場所です。
玄関の雰囲気が良くなると、家全体の印象がアップします。
ぜひクッションフロアDIYで、玄関コーディネートを楽しんでくださいね。
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赤田加奈子
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