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文化のみち二葉館のレトロ建築と床を巡る|観光ルートバス「メーグル」で行く床探し旅【春のラグリエ部活動 中編】

ラグリエ部活動

文化のみち二葉館のレトロ建築と床を巡る|観光ルートバス「メーグル」で行く床探し旅【春のラグリエ部活動 中編】

2024.06.10 (最終更新日:2025/06/16)

春のラグリエ部活動は、名古屋のレトロ建築を巡る「床探し旅」。

中編では、文化人が集った洋館 「文化のみち二葉館」 にフォーカスし、館内の美しい床模様や建築意匠を紹介します。

名古屋の名所をめぐる観光ルートバス 「メーグル」 を活用し、 名古屋市役所・愛知県庁・文化のみちの洋館 を巡るラグリエの床探し旅。

今回は、歴史とモダンが融合する二葉館を中心に、映える床や内装をご紹介します。

※名古屋市役所・愛知県庁の建築と床を紹介した前編はこちら
名古屋市役所・愛知県庁のレトロ建築と床を巡る|観光ルートバス『メーグル』で行く床探し旅【前編】

観光では見過ごされがちな「床」に着目して、名古屋の魅力を深掘り。
ラグリエらしい視点で、インテリア好きにも響く床模様をご紹介します。

\お部屋の床を変えるなら/

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名古屋の歴史保存地区「文化のみち」とは|レトロ建築が残るまち並み

名古屋城東・市役所前からメーグルバスに乗って、約19分。

観光ルートバス「メーグル」を使えば、文化のみちエリアに気軽にアクセスできます。

文化のみちエリアの地図。名古屋市東区の歴史的建築物や観光施設が示された案内図
名古屋市ホームページより

文化のみちは、名古屋城から徳川園へと続く一帯で、明治から昭和初期に活躍した文化人や財界人の邸宅が多く残るエリア。

歴史的建造物を保存・活用した施設が点在し、レトロ建築をめぐる散策ルートとしても人気を集めています。

昭和レトロが映える洋館「文化のみち二葉館」の魅力とは 

バス停を降りてすぐ、目の前にあるおしゃれな建物が二葉館です。

バスを降りたらすぐ二葉館です

オレンジ色の屋根が印象的な建物は、「日本の女優第1号」の川上貞奴と「電力王」福沢桃介の邸宅。

大正から昭和初期にかけて暮らしていた邸宅が、こちらに移築・復元されています。

設計を担当したのは、当時新進気鋭の住宅専門会社として知られていた「あめりか屋」。

それでは、さっそく中に入ってみましょう!

昭和レトロが映える洋館「文化のみち二葉館」の魅力とは

バスを降りるとすぐ目に入るのが、鮮やかなオレンジ色の屋根とレトロな外観が印象的な「文化のみち二葉館」。

文化のみち二葉館の外観。オレンジ色の屋根と洋風意匠が印象的なレトロ建築
文化のみち二葉館の外観(2024年春撮影)。

ここは、日本初の女優として知られる川上貞奴と、「電力王」と呼ばれた福沢桃介が暮らした邸宅を移築・復元した洋館です。

外観はもちろん、内部にも贅を尽くした和洋折衷の意匠が残されており、昭和初期の華やかな文化と暮らしを感じられる貴重な建物です。

パーケット柄の床が美しい1階サロン|文化人が集った華やかな空間

サロンとして利用された大広間には、華やかなステンドグラスがあり、優雅な空間が!

ここでは、パネルやビデオなどで、文化のみちの町並みや歴史などを紹介しています。

館内入ってすぐの大広間

この大広間には、創建当時の部材を使って復元されているものが展示されているそうです。

大広間のステンドグラス

グラフィックデザイナーの先駆け・杉浦非水の原画をもとに作られたステンドグラスが目を惹きます。

踊り子のステンドグラス

二葉館は、大正時代に居住していた和洋折衷の建物で、当時はその斬新さと豪華さから「二葉御殿」と呼ばれ、政財界人や文化人の集まるサロンとなりました。

サロンらしい造りのソファ

創建当時の姿に移築復元し、平成17年2月に開館された二葉館。

改築時、別の部屋に転用されていたソファを、一度解体した上で、当時の材料や工法に倣い復元し、もとの位置に戻した、こだわりのソファです。

ソファの木組みやスプリングは当時のものを再利用されているそうです。

ソファのふわふわな座り心地も良かったです。

ステンドグラスが素敵でした。 床もパーケットで、こだわりを感じる贅沢なお館でした。

川上貞奴関連の資料や郷土ゆかりの文学資料、調度品も展示されています。

館内にはドイツ人画家が描いた貞奴のポスターや衣装のレプリカ、ピカソによる貞奴のデッサンのほか、貞奴関連の資料や郷土ゆかりの文学資料も展示されています。

部屋や廊下ごとに床が変わります
床、壁、インテリアだけでなく、天井や照明もこだわりいっぱい

ドアや照明、床、どれもおしゃれで洗練された作りです。

赤い螺旋階段が象徴的|曲線が美しい二葉館2階へ

流線形が美しい赤の螺旋階段は、二葉館の中でもとくに目を惹く存在感です。

らせん部分の手すりのカーブも素敵です
階段を上がって2階にきました
パーケットデザインがおしゃれな部屋
直線ありカーブあり…お部屋の形も凝っています
2階から階段を下りながら1階の床を愛でます

パーケット柄の床と螺旋階段が印象的でした。 踊りながら階段を降りている貞奴は、とても魅力的だったんだろうなぁと思います。

創建当時の面影を残す和館|文化財に指定された空間

1階のサロンや展示室を抜けると、奥には和館部分が広がります。

文化のみち二葉館にある洋館と和館の境目の床デザイン。空間の切り替えが意識されている
洋館部分と和館部分の堺の床。
和館側の廊下から見た洋館方向の眺め。建具や床が異なる印象を与える
和館側から洋館側を臨む廊下。
文化のみち二葉館の和館廊下と中庭の蔵。左側は木造の和風廊下、右奥に蔵が見える
(左)凛とした佇まいの和館廊下。
(右)中庭には、立派な蔵もありました。
文化のみち二葉館に残された大理石の配電盤と呼鈴の親機。各部屋とつながっていた通話・通知装置
大理石でできた巨大な配電盤(左)と呼鈴と親機(右)。

主な部屋には呼鈴がついており、親機は事務室に設置されていたそう。今でいうレストランの呼び出しボタンのようなシステムですね。

ベルが鳴ると番号が表示され、どの部屋からの呼び出しかがひと目で分かるようになっていたとのこと。当時の最新設備が取り入れられていたことがわかります。

文化のみち二葉館の和館に残された収納棚。扉の取っ手部分にも装飾が施されている
トイレの前の収納も当時のもの。取っ手も凝っています。

2階の和室を含む和館部分は、主に大正時代の建築資材を使って構成されており、現在は登録有形文化財として指定されています。

文化のみち二葉館の和室。天井や照明に網代天井や木組みの意匠が見られる
天井も照明もこだわりが詰まっています。

仏間の天井は「網代天井」

二葉館の網代天井は、屋久島から取り寄せた屋久杉を薄板にして編み上げられています。今では再現が難しいとされる、貴重な建築技術です。

文化のみち二葉館の2階和室。貞奴の親しい来客のみが立ち入ることができた空間
2階には貞奴のごく親しい友人しか入れなかったそうです。
文化のみち二葉館に展示されている革張りの古い旅行鞄。重厚感ある造形が印象的
歴史を感じるカバン…とっても重そう。

文化のみち二葉館で見つけた魅力的な床デザイン集

見どころ満載の文化のみち二葉館。

館内を歩いていると、床のデザインにも思わず目を奪われます。

ここでは、二葉館で見つけた印象的な床デザインをご紹介します。

文化のみち二葉館1階ホールの床。複雑な組木模様で構成され、クラシックな雰囲気を演出している
1階のホールの床。凝った組木が印象的。
文化のみち二葉館の室内にある床デザイン。家具や内装と調和した色合いと配置が美しい
インテリアとマッチする床たち。
文化のみち二葉館の廊下に施されたヘリンボーンとパーケットの床。木目の組み合わせが繊細
廊下のヘリンボーンやパーケットデザインの床。
文化のみち二葉館の室内床。部屋ごとに異なる木材模様が採用されている
それぞれの部屋ごとに完結するデザイン。
文化のみち二葉館にある装飾性の高い組木床。幾何学模様が繊細に構成されている
おしゃれな組木デザインの床がたくさんあります。

当時としては驚くほどの電気装備が施されていた文化のみち二葉館。

床にも貞奴のこだわりと美意識がしっかりと反映されていました。

床だけでもすごいバリエーション!
当時、政治家や財界人、文化人が訪れるサロンだったということで、現代でも十分通ずる、映え館でした。

和洋折衷の建築美を楽しむ|文化のみち二葉館で床探し

今回は、ラグリエ床探しで訪れた「文化のみち 二葉館」の素敵な床をご紹介しました。

当時の最先端を取り入れた洋館と、落ち着いた和の空間が同居する館内は、ひとつひとつのインテリアや装飾にこだわりが感じられ、床のデザインからもその美意識が伝わってきました。

二葉館を訪れる際は、ぜひ足元にも注目して、空間全体のデザインを楽しんでみてくださいね。

\あなたのお部屋はどれにする?/

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文化のみち二葉館の基本情報(アクセス・開館時間など)

公式ホームページ:https://www.futabakan.jp/

所在地:名古屋市東区橦木町3丁目23番地
電話番号:052-936-3836

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ラグリエ部活動の他の記事はこちら|レトロな床・建築好きにおすすめの散策レポート

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hattori

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インテリアやお片付けの本を見るのが大好き。 ラグリエの『読みもの』を通して、ワクワクしたり、毎日の生活がちょっと素敵に、楽しくなるような活動をしていきます!
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