
あなたは「ペットを飼いたいな」と考えたなら、まず最初にどこから迎えようと思いつきますか?
「ペットショップに行って、自分の好みに合う子犬や子猫を見てみる」という人も、まだまだ多いのではないでしょうか。それが一番手っ取り早くて、お手軽だからです。
しかし日本以外の国では、ペットショップで犬や猫などの生体販売を禁止や自主規制しているところが、どんどん増えています。
子犬や子猫をショーケースの中に閉じ込めて、まるで命をモノかのように陳列して販売している、日本のような国が遅れているのです。
今回のラグリエ読みものでは、どうして諸外国ではペットショップでの生体販売が禁止されているのか、ペットショップで犬や猫を購入できないとなると一体どこからお迎えすればいいのかなど、詳しくご説明していきます。
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もくじ
海外ではペットショップで犬や猫の生体販売を禁止している国が多い

ペットショップでの生体販売を禁止・抑制している動物愛護先進国の一部
例えば下記の国々では法律や条例、または動物愛護という観点からの自主規制によって、ペットショップで犬猫の生体販売が禁止または抑制されているのです。
- ・ドイツ
- ・イギリス
- ・フランス
- ・オランダ
- ・スウェーデン
- ・フィンランド
- ・ポーランド
- ・イタリア
- ・スイス
- ・オーストラリア
- ・ニュージーランド
- ・アメリカ(州によって法律は異なる)
ペットショップで犬や猫の生体販売を禁止または抑制している国は、ヨーロッパをはじめとして、ここに挙げきれないくらい出てきます。
ウサギやモルモットなどの小動物、爬虫類や鳥類、熱帯魚などは売られている場合もありますが、外国にあるペットショップの多くは、ペットフードやペット用品を買いに行く場所。犬や猫の生体販売は、ほとんどされていません。
動物愛護先進国の中でも代表的な国といえば、ドイツでしょう。その理由としてはドイツには殺処分場自体がなく、代わりに各自治体に「ティアハイム(ドイツ語で動物の家という意味)」と呼ばれる、ヨーロッパでも最大の動物保護施設がたくさんあるから。
ティアハイムは作られ始めてからおよそ170年ほどの歴史を持っていて、飼い主がいなくなったり(懲役刑や死亡など)、迷子になったり捨てられたりした犬や猫が見つかると、通報されて保護されるのです。
ティアハイムには獣医師や看護師、犬のしつけをするトレーナーなどのスタッフがおり、寄付金やボランティアによって運営がおこなわれています。啓蒙活動も盛んなので、ティアハイムで暮らしている数多くの保護犬や保護猫が、新たな家族を見つけてもらって巣立っていくのです。
ドイツにもブリーダーは存在しますが、ペットはティアハイムから譲渡してもらうという文化が強く根付いているので、ほとんどの人が保護犬や保護猫のほうを選びます。
さすがは動物愛護先進国であるドイツ!日本におけるペット事情とは、かなり異なっています。
諸外国がペットショップで犬猫の生体販売を禁止・抑制している理由

それでは、なぜ日本以外の多くの国々で、ペットショップで犬や猫の生体販売をすることが禁止されているのかを考えてみましょう。
過剰に繁殖させられ、売れ残る犬や猫が出てくるから
生体販売をおこなうペットショップは、商売として経営されています。そのためペットショップに子犬や子猫を売るブリーダーは、人気のある犬種や猫種を大量生産しようとすることが、容易に想像できますよね。
過剰に繁殖させられた子犬や子猫たちは、日本にたくさんあるペットショップで決して快適とはいえないショーケースに入れられ、販売目的で陳列されるのです。
そして大量生産されたすべてのペットが確実に100%売れるとは限らず、必ず売れ残りが出てきます。
衝動買いでの飼育放棄が多いから
ほとんどの人は、ペットを家族として可愛がるはずです。しかし中にはペットショップで一目惚れした子犬や子猫をその場で購入し、すぐに飽きてしまうような人も存在します。
そうしたペットショップでの衝動買いは、飼育放棄につながりかねません。犬や猫という「命」が、まるで流行りのアクセサリーやブランドバッグか何かのように扱われるのは、心苦しいとは思いませんか?
日本のペットショップで売れ残りになった犬や猫はどうなるの?
ペットショップで売れ残った犬や猫は、ブリーダーのもとに返品されることが多いのが現状です。売れ残ってしまったペットたちの行く末は、悲惨のひと言でしかありません。
まずは値下げして販売される
ペットショップ側も、なるべく売れ残りが出ないように、需要の高い月齢が過ぎてしまった犬や猫の値段を下げて売り切ろうと努力します。
ペットショップで「大幅値下げ」や「特別セール」などの貼り紙がされた犬猫のショーケースを見て、なんだか違和感を覚えたことがある人もいらっしゃるのではないですか?
ブリーダーのもとに返され、繁殖用に使われる
値下げを実施しても売れ残り、大きくなってしまった犬や猫は、販売元のブリーダーに返品されます。この返品という言葉にも、心が痛む人がいることでしょう。
そしてブリーダーのところに戻ってきた犬猫たちは、繁殖用として酷使されることが大半です。しかもブリーダーに返品を受け入れてもらえるのは、健康で見た目がいいか、出産可能なメスのみという現実があります。
最悪の場合は悪徳な引き取り屋に売られることも
すべてとは言いませんが、悪質な一部のペットショップやブリーダーは「引き取り屋」といわれる悪徳業者に、売れ残りの犬や猫をお金を払って引き取らせることも。
引き取り屋に売られるのは、売れ残ったペットだけではなく、生まれつき障害があったり欠点があったりする犬猫でも同じです。
引き取り屋というところは積極的に犬や猫を殺すわけではありませんが、狭く不衛生なケージに閉じ込めて最低限のフードや水しか与えず、病死や衰弱死するのを待つといった残酷極まりない行為をおこなう悪徳業者といわれています。
せっかくペットを迎え入れるなら、保護犬猫を検討してみませんか
ここまで読んで「可哀想だ。ペットショップで犬猫を買うのはやめたい」と思ってくださった心優しい人は、ぜひとも保護犬や保護猫を家族として迎え入れることを視野に入れていただけないでしょうか。
保護犬や保護猫はどこに行けば引き取れるの?
保護犬猫は、下記のようなところで譲渡がおこなわれています。
- ・保健所や動物愛護センター
- ・保護犬猫のボランティア団体が実施する譲渡会
- ・アニマルシェルター
- ・里親探しサイト
- ・保護犬カフェや保護猫カフェ
いずれの場所にしても代金さえ払えば済むペットショップとは異なり、本当に終生飼育ができるかどうかやペットが暮らすのに適した住宅環境にあるか、家族構成や家庭の経済状況などを訊かれ、ゆるくはない審査があります。
この審査を面倒くさいとか、プライバシーの侵害だなどと感じる人々もいるでしょう。しかし、すべては保護犬猫が生涯幸せに暮らせるかどうかの、大切なチェックなのです。
上で挙げたどこの施設や団体のスタッフも、保護犬や保護猫が一生大切にしてもらえて幸せになれるように願いながら本気で審査しているので、その点はどうぞご理解くださいね。
日本でも動物愛護の意識を持つ人が増えていくことを願います
日本以外の国では、ペットショップで犬猫の生体販売をすでに禁止や抑制しているか、禁止する方針に向かっているところが多いです。
それは、諸外国では動物愛護の精神が根付いているから。日本はペット後進国で、海外よりも100年遅れているともいわれています。
代金さえ支払えば、犬猫を飼える環境にない人や飼育放棄するような無責任な人にも、その場ですぐに「命」が引き渡されるペットショップという場所は今後の大きな課題です。
ペットショップで犬や猫を「買う」のをやめて、「救う」という選択をする人がひとりでも多く増えていってくれることが、動物愛護へとつながる第一歩なのではないでしょうか。
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